まっすぐ傾ける

『太陽の恵み』

K5229132-HDR-20150801-15 mm-1-1500 秒 (f - 11)

K-5IIs DA15mmF4 [ F11 ISO160]

最近、斜め構図の頻度が非常に多い気がするのである。
多分食べ物撮りを始めたこと、広角が一桁に突入したことと、おそらく無関係ではない。

基本的に自分が構図を決めるとき、正直なところ何も考えていないw
ファインダーを覗いて、しっくり来る画を探すだけである。
もっと言うと、ファインダーを覗く前から物の配置は決まっていて、微調整のために、ファインダーを覗きながら、上下前後左右と傾きを調整するだけである。

 

『まっすぐ傾ける』

K5228309-HDR-20150510-31 mm-1-180 秒 (f - 11)

K-5IIs FA31mmF1.8 [ F11 ISO160]

構図に迷った時に、三分割と対角線を意識するぐらいであるが、スナッパーなので、そもそもイメージが無い時にカメラを構えること自体稀である。
どんなものでも美しく撮るために、本当は被写体を決めて、そこから構図を構成する練習もした方がいいのだけど^^;

従って、斜めに撮ろうと思って撮るというよりは、結果的に斜めになっていることが多いということである。
だが、言葉は後付けであるが、出来上がった画を見て意図を解釈することはできそうである。
例えばこの画は傾き構図ではあるが、庇は無意識に水平近くになっていた。

他にも主にいくつかの意図に分類できそうである。
 

『対角線』

IMGP0698

Q7 01STD PRIME [8.5mm F1.9 1/80 ISO100]

①対角線をめいっぱい使って被写体を大きく写す。

対角線は、写真の中で最も長い線である。
画面いっぱいに何かを写そうとした場合、対角線を使うことで、長編を使うより更に大きく写すことができるのである。
大きく写すことはすなわち不要なものを排除できるということである。

ただし被写体の形状によっては、傾けたせいで必要なものがフレームの外に追い出されたり、不要なものが入り込むこともあり、何をどこまで入れたいかよく考えて採用する必要がある。

 

『めいっぱい』

K5223667-20150226-31 mm-1-125 秒 (f - 2.8)

K-5IIs FA31mmF1.8 [ F2.8 1/125 ISO140]
『奥行きと天井』

IMGP0132-20150704-5 mm-1-50 秒 (f - 2.8)

Q7 02STD ZOOM [5mm F2.8 1/50 ISO200]

②対角線をめいっぱい使って奥行きを出す。

対角線は、写真の中で最も以下略。
なおかつ角であるため、消失点と相乗し、より奥行きを感じられるのである。

 

『鰻の寝床』

K5228255-20150510--1-180 秒 (f - 4.5)

K-5IIs SIGMA 8-16mmF4.5-5.6 [8mm F4.5 1/180 ISO160]

③対角線をめいっぱい使って広がりを出す。

対角線は、写真の以下略。
そのため、横長の被写体をフレームに入れる時、後ろに下がって横構図にすると上下が空いてしまうため、そこをどう処理するかということがある。

斜め構図では被写体に近づくことができ大きく写せるため、上下の無駄を小さくできる。
なおかつ被写体上下の空間が絞られるため、被写体自体の横の広がりを強調できるのである。

なおかつこれは②を同時に意識することで、奥行きと広がりを同時に表現できることもメリットである。

 

『樹と月と』

IMGP1001-20151024-5 mm-1-10 秒 (f - 2.8)

Q7 02STD ZOOM [5mm F2.8 1/9 ISO800]

④空間を埋める。

構図を決める際、メインの被写体の配置をどうするかというのは割と簡単に決まる。
だが、それによって生じた別の空間が野放しで良いわけではない。
例えば空だけにするなど、何も置かないということもあり得るが、何かを配置しようとした場合、次に左右のバランスに配慮が必要となるわけです。
斜め構図だと左右のバランスは気にせず、角一点のみを考慮すれば良いため、構図が取りやすくなります。

他にも、フレーム外のわずかちょっとにアクセントになるものがある場合ちょっと傾ければそれをフレーム内に誘導できます。

 

『動きを出す』

K5227940-20150429--1-1000 秒 (f - 4.5)

K-5IIs SIGMA 8-16mmF4.5-5.6 [8mm F4.5 1/1000 ISO160]

⑤動きを出す

また、乗り物などが動いていない状態で展示されている場合、そのものが動いている時の向きを再現することで、動感を出すことができます。

ある意味傾いた構図は不安定なので、それだけで動のイメージを持ちやすくなります。
それが、そのものの持つ動きのイメージを重ねることで、更に動感が増します。

この画では盆栽が邪魔ですがw

 

『消失点』

K5210018

K-5IIs FA31mmF1.8 [ F2.4 1/90 ISO160]

⑥視線の誘導

消失点はそれだけで視線誘導の効果がありますが、傾けること、消失点の位置を調整することで、よりその効果が強くなるように思います。

 

『植物と人と太陽』

K5229115-HDR-20150725-15 mm-1-90 秒 (f - 11)

K-5IIs DA15mmF4 [ F11 ISO200]

⑦構図の調整

構図を調整する際に、意識したいものが複数あると、縦横構図ではうまく配置できない場合も傾きを調整することで、必要な配置をコントロールすることができるようになります。
 
…なんか改めてこうやって書くと、下手くそな構図作りを傾けてごまかしているように読めなくもないw
いずれにしても、これだけだと飽きられるし、表現の幅も広がらないので、あくまで表現の幅の一つとして活用することを意識したいと思います^^;

今日の戯言 〜トランプ〜
トランプというと日本ではA〜Kまでの13の数字と4つの絵柄を組み合わせたカードのことを指すが、本来はこのカードを使用したゲームにおける「切り札」を意味する言葉である。

トランプ氏が切り札かどうかは私は知らないが。

 

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まっすぐ傾ける」への11件のフィードバック

  1. 傾けるのもいろいろあるのですね~。
    ぼくは本当に何も考えてないので、デタラメにしかならないんですよね・・・。
    だから、結局真っ直ぐに戻してしまう(笑)
    格好良く斜めに撮りたい時は、この記事を思い出すことにします。

    • もちろん撮っている時にこんなことを考えているわけではないですよw
      おさまりのいい構図を探るとこうなっていて、なんでおさまりが良いのだろうと考察した結果ですw

      参考になれば幸いです。

      あとは『樹と月と』もそうなのですが、被写体のどこかまっすぐのラインを、縦横いずれかに揃えることは多いかもしれません。

  2. タイトルの絶妙さに拍手!
    そして、ask-evoさんの傾けフォトにはいつも感心してます。
    こういう特殊(?)な構図は慣れと経験で自然に使えるようになるのでしょうね。
    私なぞがまねしようと思ってもどうもしっくりきません。

    • タイトルを考えてから写真を選出しました。
      当初の狙いとは少し変わりましたが、まぁ、広義に解釈してあてはめましたw

      本文にもありますが、斜め構図は食べ物撮りを始めてからだと思います。
      テーブルの上って、いろんなものがあり、複数で食事するときは、特に向かい側の人が写ってしまいますw
      食べ物をできるだけ大きくフレームに収め、要らないものをできるだけフレームアウトさせる、こんな意図から斜め構図を多用するようになったかとw

      使い方は広角でも同じですが、広角だとさらに奥行きが出るのでバカに磨きがかかっている状態ですw

      ちなみに食べ物撮りはjerryさんの影響ですから、この源流はjerryさんにあるわけですw

  3. こんにちは
    斜めの構図は、広角で使うと、面白いですね。
    斜めにすることで、目線の誘導があり、表現が豊かになると感じています。
    『樹と月と』が、お気に入りです。

    • そうなんですよ
      元は食べ物撮りから始めた斜め構図ですが、広角との相性が良く、キチガイに刃物鬼に金棒となっております。

      もともと広角はパースがつくので、そこに消失点、斜め構図を取り込むと、奥行きがよく出ます。

      『樹と月と』ありがとうございます。
      ようやく街が眠りにつく頃の大教会です。

  4. おもしろい~。為になる~。
    アホなくせに頭固いから、まっすぐじゃなきゃって思い込みがっ(笑
    カメラ傾けてもいいんだよね~。
    スナップだけじゃなくて、鳥撮りでもおもいっきり傾けてみます!(違う?w

    • 為になると言うほどではないけれど、参考になれば。

      でも、鳥撮りではどうかなぁ
      あまり生かせる場面ないかも^^;

      望遠域では普通にまっすぐでいいんでないかなーw

  5. おはようございます(^^
    望遠で鳥やリスを撮っている者ですが、微妙に斜めってる事が多い者でもあります。
    そもそも木の枝と鳥やリスしか写ってないのに、どこが斜めなのか分からない所があるのですがw
    家内が婚前旅行でイタリアに行ったのですが(私は留守番)、ピサの斜塔をまっすぐに撮ってきて、地面が傾いていました。

    • 斜めってることがわからないなら、被写体に最適な角度ということで逆にありかもしれませんw
      自分の場合、望遠やマクロは相変わらず苦手で、こういうひねった構図は間違いなく破綻すると思いますw

      ピサの斜塔をまっすぐにって、それも面白いかもw

      ちなみに傾いていない建物を、わざと傾けてまっすぐに撮るということもできます。
      http://tsww.atelierask.net/201505/1675

      パースが超強烈な超広角だとこんなことにもなってしまいますw

  6. ピンバック: 斜めに撮る | かもめ食堂

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