すでにご存じのとおり、私はスローシャッターフェチである。
とはいえ、シャッタースピードは早くできるなら早い方が良い。
実際、ISOは通常で3200まで許容している。
いくらフェチとはいえ、ISO100固定と言うほどMではない。
しかし、スナッパーにとって、撮影環境はまさに今の環境が全て。常に成り行き。
暗かろうが明るかろうが、機材が揃っていようがいまいが、
撮りたいと思った時に、今ある機材で撮るのがスナッパーなのである。
そして機動力重視のスナッパーは、普段からいちいち三脚など持ち歩かないのである。
持ってても設置するのが面倒なのである。写欲をそぐくらいならそのまま撮ってしまえ、と
そりゃぁ、SS遅かろうがなんだろうが、嫌でも手持ちでがんばらねばいかんわけで。
そうやって撮っていると、撮影環境が悪くても、いっぱいシャッター切ればいいや、と
撮影環境の良し悪しに対しての感度がどんどん鈍くなってくるわけあります。
ただ、こうしてスローシャッターに慣れたおかげで、
条件が悪くてもまずは撮ってみよう、となるので、
下手なてっぽも数撃ちゃ当たるってなわけで、歩留まりは落ちても母数を増やせばカバーができるわけです。
つまり、撮影をあきらめなくていい。
これが最大のメリットかもしれない。
ところで、スローシャッターという言葉自体定義は曖昧であるが、
焦点距離にもよって難易度や写り方も変わってくるため、一言でくくるのも乱暴だが、
1/60秒辺りから、動きもののブレが目立ち始めるので、およそこのぐらいからだろうか。
そして、一般に手持ち撮影の限界は、SSで1/焦点距離(Equiv.35mm)秒と言われている。
ただし、これは正しい構えでぶれないことを徹底的に意識した時の話。
腕を目いっぱいに伸ばして液晶ディスプレイで撮影するような場面で通用するものではない。
カメラやレンズにもよるが、おおむね手ブレ補正の効果は2.5~4段と謳われていることが多い。
4段と言えば16倍も長い露光時間である。
では先の考えに当てはめて、16/35mm換算の焦点距離秒までいけるのかと言えば、
4段分で突然効果がなくなるものではなく、やはり徐々に歩留まりは落ちていくので、
まぁ、がんばって4段、実用範囲で考えると3段ちょっとだろうか。
また感覚的な話で申し訳ないが、単純に何段ということだけでなく、
1/10秒より長くなり始めると少しずつ補正が実感しにくくなる。
レンズシフト式手ブレ補正でファインダーを覗くと分かるが、
完全にブレを止めているわけではない。
安定はしているがやはり像は揺れるもので、露光時間が長くなれば効きにくいこともうなづける。
そして当然、手ブレ補正の基準は、あくまで自分の手ブレしないSSが基準となるので、
3段ちょっと(≒10倍)と言ったところで、単純に、誰でも10/焦点距離秒というわけではない。
手ブレ補正がどれだけ優秀でも、まずぶれない構え方、撮り方が重要なのである。
以下にブレを軽減するテクニックをいくつか。
・足を軽く開いてワキを締める。
自分の場合、真横に脚を開くより、右足を少し後ろに引く方が安定する。
・シャッターを切る時は軽く息を吐きながら。
・一番ブレの収まった瞬間にシャッターを切る。
・適度にアルコールを摂取する。
中二つは意外と書いているのを見かけない。
最後は書いてあったら逆にビビる。
息を吸って止めると心臓の鼓動が大きくなるので、ブレには良くない。
吐いたまま止めると死んでしまうので、軽く吐きながら撮る。
ちなみにこの1枚は、さすがに完全フリー手持ちではムリ(^^;
ヒザを立てて、ヒジを乗せ、一脚のようにして撮っています。
手持ちとはいえ、必ずしもフリーではなく、工夫できることはすべてやるのである。
例えば電柱や壁など、体を預けられるものがあれば、より安定する。
ローアングルならただしゃがみこむより膝をつき、両手の肘で2点の支えを作るのである。
寝そべられる環境ならより安定する。
そして意外と忘れがち。
もちろんシャッターチャンスが最優先されるべきであるが、
ファインダー像と体の揺れに全神経を注いで、揺れが弱まった瞬間に撮る。
タイミングがつかみにくい場合は、揺れの折り返し点で撮ると良い。
ちなみにiPhoneは自身の加速度センサーで揺れを検知して、
揺れの少ないときにレリーズしているらしいので、原理的には似たようなもの。
だが、うちのiPhoneは即レリーズしてる気がする。はて?
あと、iPhoneのシャッターは、タッチした瞬間ではなく、指を離した瞬間にレリーズされる。
シャッターボタンを押し続け、安定させた後に、撮る瞬間にそっと指を外すと良い。
タッチした瞬間はまさに衝撃を与えている瞬間で、もっともぶれるので、
単純だがこれは良く考えられていると感心する。
だったはずなのだが、現行仕様では押し続けると連写される。
連写はいらないよ…
最近のカメラのタッチシャッター機能は、片手で持つわきのしまらないスタイルで、
ただでさえぶれる要素満載なのに、その上さらにカメラを指でつつくなど、とても正気の沙汰とは思えない。
ちなみにこの時はやたらとカマキリが水に浮いていました。
あとから聞くところによると、もしかしたらハリガネムシの影響ではないか?と
ハリガネムシはもともと水棲の生き物で、寄生した宿主の神経を乗っ取って、水辺に向かわせるそうです。
最後、個人差があると思うが、自分の場合適度にアルコールを摂取していると、
心が落ち着いて、鼓動が穏やかになってブレが軽減される。
飲みすぎると体全体が揺れ始めるため逆効果。
なお、個人差大なので効果がなくても責任は持たない。
デジイチに移行してからしばらく、スローシャッターにもリハビリが必要であったが、
ようやく去年ぐらいから、徐々に歩留まりが上がってきたように思う。
まぁ、ともかく、「考えるな、感じろ」の世界なので、スナップ繰り返しているうちに、
勝手にリハビリが進んだようなものか。
あとはスローシャッターを利用した流し撮りもリハビリが必要である。
ともあれ、これが今年最後の記事となります。
1年間大変お世話になりました。
今年はリアルもブログも大きく環境が変化した年でした。
一方でそれによっていろんな楽しみも生まれているので、
しばらく勢いを継続できればと思っていますw
長期で出張入る前にブログ更新のために、モバイルの現像環境を整えねばと思っています。
ともあれ、2015年もよろしくお願いいたします<(_ _)>
明日は、定期更新日ではないのですが、新年1日目ですので、
あいさつのためだけの手抜き記事を掲載予定ですw
“that”が5つも連続する英文をご存じだろうか。
He said that that that that that girl used was wrong.
非常にややこしく、なんじゃこりゃ?と思うであろうが、
きちんと英文法として成立しているのである。
He said that① (that that that② (that girl used) was wrong).
*イタリック太字のthatは関係代名詞。
全体:彼はthat①と言った。
that①:that②というあの”that”は間違っていた。
that②:あの女の子が使った。
↓
あの女の子が使った、あの”that”は間違っていた、と彼は言った。
そういえば、日本語でも似たような言葉遊びがないこともないと思わないでもないのである。
ask-evoさん、こんばんは。
スローシャッターは楽しいですね^^
ただ私は手持ちではあまり撮ったことが無くて。
というもの手持ちだとかなり失敗します(笑)
きっとシャッタースピードの加減がイマイチなのでしょうね。
次回、いろいろとレクチャーしてもらいたいです。
来年、またお会いできるのを楽しみにしています。
新レンズと共に撮影に行きましょう^^
それでは良いお年を!!
えーと、三脚使うのがおっくうでなければ三脚使うに越したことはありませんw
自分の場合、ある目的の被写体のために出かけると言うより、
出かけた先で見つけたものを撮るというスタイルなので、
機材の持ち出しが少ないんですよね(^^;
とはいえ、手持ちスローシャッターに慣れておくと、
撮影可能な場面が広がることはありがたいなと思っています。
その分失敗も多いですがw
レクチャーと言うほどのことはできませんが、
最近のカメラの作りから、手ブレ補正の性能を宣伝する割に、
ぶれない撮り方という本質をあまり追求していないことが気になり、
あえて書いたことでもあります。
どちらかと言うと、こちらが学ばせてもらうことの方が圧倒的に多いと思いますが、
こんな自分のスタイルでも何か参考になることがあるなら幸いです。
おはようございます(^^
SP500を入手してからというもの「オレってこんなに微振動するのかw」
と、揺れるファインダー像に、乙女心を感じておりますw
三脚は狙った風景と、そんなSP500の一脚代わりに
使っておりますが、手持ちの軽快さは、ノーパンで
野山を駆け回るようなものです(謎)
先ずはこの一年、激動の一年だったと思います。
どうぞご健康だけは、お気を付け下さいませ。
北海道、寒いっすよw
この一年の感謝を申し上げますと共に、来る年が
良い一年となります事、心より祈念申し上げます。
良いお年を\(^o^)/
うちのシグマ使っていても思いますよw
しかし、乙女心って…w
ときめいているんですねw
どんな構え方をしても手持ちで完全にブレを止めることは不可能です。
なので、構え方だけでなくレリーズの瞬間も大事だと思っているのですが、
あまり、この点に触れている文章は見たことありませんね。
ちなみにノーパンで野山を駆け巡ったことがないので、
もう少し実例を踏まえて解説頂けますでしょうか?w
北海道、おそらくハノイと気温差20度くらいでしょうか(^^;
今年も1年ありがとうございました。
良いお年を!
こんにちは。
そうですか。スローシャッターフェチ+人間三脚?だったとは知りませんでした。
味のある写真が多いですね~。
私も来年はちょっとやってみようかな。
楽しく交流させていただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
三脚と言うにはずいぶんと精度が悪いですがw
撮るときは三脚になったつもりで撮っていますw
来年は、三脚も追加して、もっとスローシャッターを生かした写真を撮りたいですね。
他にもいろいろ挑戦してみたいことだけはあるのですがw
できるところからぼちぼちとやって行こうと思います。
特に道具が必要なものはハノイにいるうちに入手をしておきたいですね。
こちらこそ相互コメントができる人が増えて本当にありがたく思っています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは
今年は、写真撮ることを再開できて嬉しい年になりました。
以前と変わらず、接して頂き、とても感謝しております。
異国の地、大変な環境にいるにも関わらず、精力的に写真を撮っていること、素晴らしいです。
来年もよろしくお願いします。
良い新年をお迎え下さい。
自分もブログをなかなか更新できず、訪問もあまり出来なかったうちに、
マウント替えをしておりましたね(^^;
少々驚きましたが、それぞれの状況で道具の向き不向きはあるので、
やむを得ないことだと思いますが、新システムで、
撮影を楽しめているようでなによりです。
異国の地にも関わらず、というか、異国の地、だからこそ、でしょうかw
また2015年には次の地へ移りますので、また違ったものを撮れればと思います。
ともあれ、新年もどうぞよろしくお願いいたします。
手ぶれ補正機構が一般化したせいで、ブレを抑えるテクニックを忘れた方が多数でしょうね。
岡田撮りやタッチシャッターなんぞ最たるもの。
三点支持を知らない人が増殖していくんだろうな~
さて、今年もあと10数時間で終わり。
来年も変わらぬお付き合いでお願いいたします
手ブレ補正は、確かに甘い持ち
方もカバーするでしょうが、
最大のメリットは限界を広げてくれることだと思っています。
手ブレ補正の性能向上は結構ですが、
ブレを助長するような使い方をあまり推奨するべきではないですね(^^;
今年も大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは
激動の一年間お疲れ様でした。
ようやく被災ぶりの北海道に帰れますね(^^
スロウシャッター、素晴らしい技術だと感心しました。
1秒を超えるSSを手持ちってのは不可能に近い神業ですな!
クイックシューが装備されたゴリラポッドを手に入れたask-evoさんは、
来年のどこかのタイミングで三脚の効果についての記事をしたためるのかも
しれませんね(^^
that連続の英文は面白いですね。
英語が母国語の人はスラスラと意味がわかるのでしょうか?
日本語で言うと「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」みたいなものかな。
よいお年を!
半年ぶりですね(^^;
日本も、北海道も。
スローシャッターは、単純に三脚が面倒なだけではありますがw
ゴリラポッドなら気軽に持ち出せるので、どうなりますかねw
手持ちで狙ったシーンを抑えるのはとても気持ちがいいものですが、
一方でやはり低感度の綺麗な絵も魅力ではあります。
手持ちを辞めることはないと思いますが、三脚の利用は
いくらか増えるかもしれませんね。
thatの連続文は、単調に読んだだけでは多分ネイティブでも分からない気がします(^^;
抑揚や、切り方によってなら分かるかもしれません。
きしゃの話もいきなり話しかけられたら何の事だか分からないですよねw
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
こんばんは。
私も三脚を持って行くのが億劫な口で、あとで後悔するのがわかっていながら、ついついどうにかなるさと撮ってしまいます。
異国の記事はすごく新鮮で、自分とは違う視点での作品は良い刺激になっています。
なかなか、書き込みもできす読み逃げばかりで恐縮ですが、来年もよろしくお願いいたします。
では、よいお年をお迎えください。
異国の新鮮さ、面白さが少しでも伝わっていれば幸いですw
私はスナッパーですので、面白いと思えばなんでも撮りますので、
共感いただけること以上の喜びはありませんw
来年は、もう少しスタイルや表現に変化をつけて行きたいなと思っております。
そのために皆様なブログから、いろんなものを盗んで行こうと思っておりますので、
来年もどうぞよろしくお願いいたしますw
I am truly thankful to the holder of this website who has shared this fantastic article at here. fgbakeagcfca
ピンバック: 手振れ補正 | The Stories without Words
普通に撮ってもブレるので、自力のスローシャッターには
人一倍憧れがあります。
息を吐きながら撮る、というのは知っていても
いざとなると つい止めてしまうんですよね。
マクロ撮影なんて、ほぼ死にかけですから。(笑)
水に浮かぶカマキリは、そういう事だったんですね。
聞けば聞くほど、ハリガネムシって酷い奴だわ!
thatの連続技、面白いです。異なる見解ですが
「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた」
を思い出しましたよ〜。
カメラやレンズの手振れ補正も進化していますが、望遠の手ぶれにはよく聞くと思いますが、広角の、本当にスローなシャッターには、やはり訓練が重要だと思っています。
マクロは自分も死にそうになりますw
ただ、マクロの場合はあえてスローシャッターにする必要もないので、とりあえずISO上げて、大まかにピントを合わせたあと、体の揺れに合わせてピントが合った瞬間(正確にはラグを考慮して直前)にレリーズですかねーw
カマキリは1匹救出してあげたのですが、威嚇されましたw
恩返しはなかったですw
thatの連続技は、ネイティブでも、理解するのに少し考えるような気がしますw
日本語でもややこしい言い回しは、理解するのに頭の中で反復することも稀にありますから。